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詩と映画と日記

詩と映画と日記

さゆり

SAYURI (原題 Memoirs of a Geisha)


原作 
アーサー・ゴールデン 
制作 
スティーブン・スピルバーグ
監督
ロブ・マーシャル
キャスト 
さゆり チャン・ツィイー(中国)
会長  渡辺 謙    (日本)
豆葉  ミシェル・ヨー (マレーシァ)
延   役所広司    (日本)
おカボ 工藤夕貴    (日本)
初桃  コン・リー   (中国)
お母さん桃井かおり   (日本)

さゆり
 

 
制作が、ステイーブン・スピルバーグで
監督が『シカゴ』のロブ・マーシャルですから
絶対に大作で間違いなく面白い映画だろうと
胸を躍らせて待っていましたが
原作をもいっそう素晴しく思わせる出来栄えでした

アメリカ映画が
最も日本的なものといえる芸者とそれを取り巻く世界を
ほんとうに理解して映像化出来るのだろうかという
不安は払拭されました

さゆりのチャン・ツィイーは
清楚に美しく繊細、踊りも立ち居振る舞いも見事で
動く芸術品といわれる芸者そのものでした

『春の踊り』の舞台姿を観た会長の顔には
そのあまりの美しさに
さゆりを可愛い子供と思っていた今までとは違う感情が
この時にはじめて見えたように思いました

初桃のコン・リーは
さすが中国を代表する大女優だけあって
主役と対等な存在感を感じました   

桃井かおりの置屋のおかあさんは
ふてぶてしく憎らしく少し哀しく、最高です

おカボの工藤夕貴は
すこし愚鈍なように見えていて
ここぞという場面でさゆりに煮え湯を飲ませる
朋輩の役を卒なく演じています


母の病気と貧しさ故に売られて
置屋で下働きとなって
生きる夢も希望も失った
瞳の色が少し青いひとりの少女が
会長とよばれている渡辺謙に会い
その優しさにふれて生きる目的を持ちます

この短い場面での渡辺謙の笑顔には
人間として男としての温かさが充ち充ちていました
その一瞬の笑顔には
ひとりの少女を奈落の底から救い上げる優しさ
一生忘得ないほどの慕わしさを
心に刻ませる魅力があります
さすがに世界の渡辺謙だと思いました

この出会いがさゆりを発奮させて
花街一の花形芸者への道を開いてゆきます

細かいことを言えば着物の着付け方などで
日本人としては頭を傾げることもありますが
ドレス感覚のアメリカ人にとっては
これが美的センスなのだなぁと許せる程度でした

満足し楽しめた2時間半でした


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